自宅に3メートルほどに伸びた白カシの木がある。
 家を買ったとき、冬も葉っぱが散らない常緑種が欲しいと家内と二人で選んだ思い出の木だ。
 ボクがクワを持ち、家内が苗木に手を添えて花壇に植えたことを昨日のように覚えている。
 それは、二人して人生を築いていく証のようにも思えた。
 
 の、だが。

 鮎釣りが終わるこの時期になるとこの白カシが原因で毎年大げんかをしている。
 秋にかけて覆い茂った白カシに毛虫が大量発生してえらいことになるのだ。

「今日こそちゃんと白カシの葉っぱ刈り切ってよね」
「この土日で鮎釣り終わりにするから、来週でどうや」
 と引き延ばし引き延ばしして、ついには鍋釜も飛び交うほどの戦闘モードに突入する。

「おっさん鮎釣りしすぎ。白カシの葉ぼーぼーやんか。ちったぁ家のことしいや」むかっ
「あんな木いらんのや、いっそノコギリで切り倒したるわ」むかっ

「そんなんしたらあんたの鮎釣り道具どぶ川に沈めたるから」爆弾
「なっ、おぉ、や、やれるんならやってみい。そんなことしたら寝てる間にあんたの鼻の穴に犬のうんこ詰め込んどいたるわ」爆弾
 と、他人が聞いたらびっくりするようなお下品な罵詈雑言合戦が繰り広げられる。

 いよいよ観念して、白カシのせん定に取りかかる時にはまだ十二分にケンカの余韻を引きずっている。

 
 で、今回この白カシが。

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 このようになった。
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 できた、と言って家内に見せたら「あっ」と言って二の句がなかった目
 ちょっとやりすぎたかな、とも思ったのだが言葉が見つからない。

 家内が両手で切り散らかした枝葉を拾い集める。
 ボクも一緒になって集めた。

 全て片付け終えて、家内は再びポソポソになった白カシを見上げた。
「ちょっと白カシがかわいそうでないかい」
 家内はポツリと言って家の中に引っ込んだ。

 ボクは水道のホースを引っ張ってきて白カシに水やりをした。
 いつもより丁寧に多めに水やりをした。
 家の中に入ったらちょうどお昼だった。

「あんたもそろそろ大人にならんとね」と、家内にカレーを出された。
 ボクはこっくり頷いただけで、カレーを頬張った。
 家内のカレーは甘い。

 冬が来る前に・・・・・・毎年白カシに試されているような気がしてならない得意げ






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