10月なのに、どこかの川で小指みたいな鮎を掛けて不思議に思われた方もいるでしょう真顔

 ガバチャも先週有田川ダム下の粟生でチビ鮎を何匹か掛けて「あんたお母さんメダカ?」って辟易しました。

 それで帰ってきて勉強した結果を以下に述べますダウン

 チビ鮎、それはズバリ「遅生まれの鮎」でした。

 鮎は11月の中旬頃にふ化する「早生まれ」と12月の下旬から年明けの1月、あるいは2月にふ化する「遅生まれ」に分かれます。

 困った事に最近の海水温の上昇で、早生まれの鮎はふ化して海に下るとほとんどが死滅してしまいます。海水温が高いと耐塩性が損なわれるのです。

 なので元気に遡上してくるのは遅生まれの鮎が多くなります。

 この遅生まれも、上流域まで遡上して20センチぐらいになるものと、下流域にとどまってさほど遡上をしないものに二分されます。

 これは琵琶湖を周遊し遡上しない種に似ていますが、もともと海産の鮎にいた種であるとのことです。

 遅生まれは早生まれに比べ生活サイクルが2ヶ月ほども遅れているので、河川への遡上も遅いのかというとそうではありません。

 春が近づき海水温が上昇してくると遅生まれの鮎も海で悠長に暮らすことはできません。早生まれと同様に耐塩性が損なわれて死滅してしまうからです。

 なので、遅生まれは海水温の上昇を肌で感じると、慌てて河川に遡上してこなければならなくなります。

 だから、天然遡上だけで見ると春先の川はまだ育ちきっていないチビ鮎だらけということになります。

 種は自らを後世に残すために様々なタイプを作り上げます。

 例えば蝶で言うと、蝶の模様は全て同じのように見えて全く同じものはいません。一見意味の無いようなことに思えますが、予期せぬ自然環境の変化に適合できずほとんどの蝶が死滅した。なのにある模様の蝶だけが生き残のこることができた。

 となると、その模様がスタンダードになり種が保存されます。人間もしかり、どのような生物もしかりです。

 チビ鮎は外力となる自然環境に自らの生活を合わせ必死に生きながらえているとも言えます。

「チビでも唐揚げにしたらうまいで」と持って帰って、晩酌のアテにしたガバチャは、食物連鎖の頂点に立つ者として感謝しなければなりません笑い泣き

「いただきます」の語源はある命をいただいて自らの命と同化させることではないのか、と何かの本に書いてありましたがなるほどとも思います。

 それにしても、有田川ダム下はチビ鮎現象が顕著になりすぎです。

 ダムが濁りを出して良質なエサが育たないということもダブルパンチとして効いているのでしょう。

 いっそダム下の鮎をすくってダム上に放流したらどうか、と思うのは単なる釣り人のエゴでしょうか笑い泣き

 自然界を操作することなど出来きるはずもない私たちに残されたすべは試行錯誤だけだと思うのですが・・・・・・。

 やり直しのきく取り組みを順応的に継続させる。

 でないと、やがて友釣りという文化は終息してしまうと思います真顔

 

 

残念ながら、今シーズンの有田川ダム下の川の色はほとんどこのような状況でした。

どうにかしてほしいと思っているのは釣り人もそうですが、なにより鮎たちそのものではないでしょうか。

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