私がメタルの0.1号を使い始めたのは平成5年ぐらいからだったと思う。
釣具屋でどのように仕掛けを作るのかと訊いたら、上下にナイロンの付け糸を編み込むといううものだった。

家で編み込みの練習をしていくつかの仕掛けを作った。
メタルにして私の釣果は倍以上に上がった。

ただ、メタルには欠点があった。
現地でトラブルと仕掛けが作り直せないということだ。
編み込みの予備を持つほどの知恵もなく、河原で途方に暮れたこともあった。

また、仕掛けは家の狭い居間で作らざるを得なかったが、息子二人がやんちゃな盛りで毎日運動会のように走り回る。
なので、仕掛けは子供たちが寝静まってから行うしかなかった。
ある時、子供が寝ぼけて起きてきて仕掛けに引っかかってしまい高価なメタルがオシャカになってしまった。
子供を怒るわけにもいかずその時は私が泣き寝入りをした。

私はその時から仕掛けは家で作らない。
河原で作ろう、と思った。
8時間釣るのならその30分でも河原で仕掛けを作るようにしたらいい、と。

ちょうど読んでいたアユ釣り雑誌に、メタルの仕掛けを現場で作る名人の記事を見た。
その方は編み込みではなくビミニツイストと言う結束方法でメタルとナイロンをつないでいた。
ビミニツイストは編み込みとほぼ同程度の強度が得られると記されている。

よし、自分もこれでやろう!
と始めたもののこのビミニツイストがなかなかうまくいかない。
なんどやってもヘンチョコリンになってしまう。
何度も切れて、もうやめようかとも思った。

が執念の取り組みで月日は流れ
やがて慣れてきて何とか結べるようになった。
釣果も依然と変わらない。
これは便利だ。
とそれ以来今まで私はずっとこの結束方法で仕掛けを作ってきている。

河原で点検し、その時に現場で作り直す。
私が河原で葦に竿を置いて右手をぐるぐる回していたら「ガバチャの野郎~ビミニツイストやってんだな」と思ってください(笑)

子供も成人した今では、解禁前に和室を借り切って仕掛け作業場にしておりますが、河原にもっていく仕掛けはいつも数個です。

ただしベストにはいつもこれが入っており、傷んだりのトラブルにはビミニツイストで即対応しています。


アロンがいるのはメタルだけで、水中糸が極細フロロや複合糸の場合にはアロンは必要ありません。
こちらは中盤の仕掛けです。
写真右側に水中糸のタングステンとフロロの0.3を下つけ糸としてビミニツイストで結束しています。
私のつけ糸は川底の状態にもよりますが、いつも短めで15センチから20センチしかありません。


わかりやすく目印糸で試してみます。
オレンジが水中糸、イエローが下つけ糸です。
ビミニツイストは水中糸に下つけ糸が二重に巻き付いた格好になっています。

仕掛け作りにはその人の性格が現れるものだと思っています。
私の場合、当時の境遇もありますが、なによりズボラでめんどくさがり屋の性格がこのビミニツイストにたどり着いたのだと思っています。
これからもきっと変わらないでしょう(笑)